マレーナ
何かこう、顔にサイドの髪がぴっちり掛かった感じ?動物や昆虫の擬人化コスチュームや妖精の髪型なんかにありそうな、顔の輪郭を覆うようなサイドヘアっていうんですか。そういうのをやってみようとした。モデリングしてるときは結構アクの強い感じに見えたんですけど、こう見るとそうでもないな。サイドから見るともうちょっとファンタジーな感じに見えるかもしれません。
若干Tumblr500の風味を引き摺っている気がするけど、まあいいや。というか、結構私のは作り直しみたいなの多いですよね。目標を定めずに作ると大体自分の好みが出るから似るんでしょうね。これの何とも大雑把なところは、テクスチャの毛束のバリエーションが只今全部同じw 意外とひとつでもなんとかなるのね。まあそれならそれで、テクスチャ領域広く使えていいけど、さすがに全部ひとつで済ますのは人としてダメな気がするw
Masqueradeの髪型が版権のどこかに登場しそうだけど、具体的な例が挙げられなかったんですけど、あれ黒執事Ⅱに出てきただんご三兄弟の髪型に近いかも。
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久々にゆっくり映画を観ました。ジュセッペ・トルナトーレ監督の「マレーナ」です。トルナトーレ監督と言えば「ニュー・シネマパラダイス」ですが、あれが好きな人は多分マレーナも好きかもしれない。トルナトーレ作は「題名の無い子守唄」と「海の上のピアニスト」も観たけど、そのふたつよりマレーナの方が好きだな。ニュー・シネマパラダイスは殿堂入りしちゃってるけど、あれとマレーナはまたちょっと違うので甲乙付けがたい。相変わらずエンニオ・モリコーネの音楽と相性がいい。しかし監督の故郷シチリアを舞台にした映画は、本当によく出来てます。どうでもいいけど、イタリアのポリッツァの制服ってWW2の頃から既にあれなのね。いや、多少デザイン変わってるのかもしれないけど、スラックスの赤いラインは印象的ですね。
モニカ・ベルッチが美しい!なんていうか、生身の成熟した大人の女性の美しさですね。終盤のリンチシーンはちょっとあれ酷い。敗戦後の混沌鬱々とした心理状態だったのかもしれないけど、あれはねーよ、イタリア女性怖いよ。ちょっと「アレックス」思い出しちゃったよ(あの映画はもう二度と観たくない) たぶん、あの状況で主人公の立場だったら、助けようという善意より、怒りで突撃してると思う。目の前で自分の大事な人がフルボッコに遭ってたら、さすがにブチギレると思う。ただ、そこで主人公が彼女を助けたとしたら、映画のシナリオとしてはいまひとつ。
「善き人のソナタ」のように、直接関わることなく陰から注ぐ想いというものの尊さですね。ひたすら陰から見つめ続けてきたからこそ、彼女を幸せに出来るのは旦那しかいないと分かっていたんですね。「恋に焦がれて鳴く蝉よりも、鳴かぬ蛍が身を焦がす」という美しい格言がありますが、まさに蛍の恋。主人公は出せない手紙を沢山マレーナに書いたと思うけど、たった一通彼女の旦那に宛てて送った手紙は、短いし無駄話は一切無いけれど彼女への想いが詰まってる気がしました。旦那がマレーナに手紙のことを伝えたかどうかは描かれて無いけど、ラストシーンを見るときっと聞いていたのだと思います。そしてあの町で、自分のことをちゃんと理解してくれた人がひとりでも居た、という事実はマレーナにとって大きな支えになったと思います。
彼女は町の人々の様々な視線をすり抜けて、颯爽と歩いている姿が印象的。終盤で夫婦で町に戻ってくるシーンは、歩いているだけなのに、一対の夫婦の美しい画だと思えました。それは映画の中で描かれてはいないもののあの夫婦がそこに辿り着くまでに、どんな苦労があったかよく分かるから。そして、荒波を乗り越えこれからも生きていく、強い女性の後姿で終わる、いい映画。